アオリイカのウキ釣り

 アオリイカの釣り方としては、最近ブームのエギ釣り、アジ等を泳がせ抱いてきたイカを掛ける針をエレベーターのように道糸に通じ送るヤエン釣り、そして掛け針を付けたアジやエビ等を泳がせてウキでアタリを取るウキ釣り、と主に3つの釣方があります。
 それぞれ手軽さやゲーム性、釣趣や大型が狙える、他の釣りから入り易い等、特徴やメリット・デメリットがあります。ここではウキ釣りを紹介したいと思います。
釣り場

 一般的なアオリイカの狙い場、岩礁帯や藻場近く等のアオリイカが好む環境で狙う事になります。磯周りや漁港の波止等、大型港の湾奥や根のない砂浜、汽水域以外ならどこでもポイントになる可能性があります。
 ヤエン釣り同様にエサのアジを泳がせるのですが、ウキでアジの泳ぎを若干制御する分探れる範囲が狭まる、エギ釣りの様にあちらこちら機動的に探れないと言えます。
 反面、ウキでアジにある程度の制御がかけられる分、極端に底が荒くても底の根に仕掛けを巻かれて根係りされる心配が少なかったり、ヤエン釣りよりは釣り場を独占しない、ヤエン釣りよりは足場が悪くても対処できる、エギ釣りよりアベレージサイズが大きい等のメリットがあります。
仕掛け

 2号磯竿で長さは4.5m以上あった方が釣りやすいと思います。外海に近い大型の出るポイントの場合はリールも大型のパワーのあるものの方が良いと思います。
 ハネやチヌの誘導ウキ仕掛けに掛け針をプラスしたイメージです。掛け針は少し前まではアユ用のイカリから大型のものを流用したり、自分で巻かなければなりませんでした。最近は大型釣具店ではイカ釣りのコーナーがあり、出来上がった仕掛けや掛け針単品で売られているので、その中から選びましょう。
 掛け針はイメージより大き目を選ぶほうが無難ですが、重いと餌の動きが悪くなる、細いと折られたり身切れしやすくなると相反します。できるだけシンプルで余分な重さがなく丈夫そうなものがベターです。
釣り方

 コアジ等の魚を餌にする釣りとシラサエビを餌にする釣りがあります。
 シラサエビを餌にする時はハネのエビ撒き釣りの準備と釣り方をそのまま流用することになります。
 アジ等の魚を餌にする場合、餌針をアジ等の小魚の下あごから上あごに貫通させるか背掛けにします。餌は現地でサビキ釣りなどで確保します。コアジに限らず、ネンブツダイやシマイサキの稚魚や木っ端グレ、イワシ等何でもオッケーです。
 一部の釣具店では餌用としてアジなどが売られていますが、活かすのが大変ですし常備されていると限らないので、現地確保する準備は必要です。また現地で釣れるものが一番食いの良い餌になると思います。
 
 仕掛けを投入して、活アジエサなら基本的には自由に泳がせ、死にアジエサやシラサエビなら時折誘いを入れながら仕掛けを流します。ウキ下は底から1ヒロ位から始めるのが無難です。
 
 アタリは明確にウキが沈んでいく事が多いですが、早アワセは禁物です(シラサエサの場合は一呼吸おいて合わせる位のタイミングです)。
 アジエサの場合は充分にエサを喰わせてから、活性にもよりますが10数秒から30秒ほど待って聞き合わせしながら、タイミングを待ちます。
 エギでアオリが釣れる様なポイントでウキ釣りをするとアタリの多さに、こんなにイカがいるのかと驚くと思います。アタリがあってもなかなか掛ける事が出来ないのがこの釣りの面白いところです。
 上手く掛ける事が出来たら、糸を緩めずに逆噴射を竿のタメと場合によってはドラグ操作でやり過ごし寄せてきます。
 なお、昼間に死にアジエサを使っていて、アタリも無くエサがかじられる時は、齧り口が頭や腸周りに集中してぼろぼろなのはイカですが、全体的に千切られているのはエサ取りの小フグの場合が多いと思います。 

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