サビキ釣り

 かつては、「鮒に始まり鮒に終わる」と言う言葉があるとおり、初めての釣りは近所の川で鮒釣りというパターンは確かに多かったと思います。今はブルーギルはともかく鮒釣りを楽しめる川や池は減ってしまいました。
 初めての釣りは、釣具店で聞いて、あるいは誰かに連れて行かれてサビキでのアジやイワシ、小サバ釣りというパターンが、もしかしたら一番多いかもしれません。
 
今や夏の波止でもっともポピュラーなサビキ釣りの紹介です。
釣り場
 
 サビキ釣りでは、漁港の波止や大きな港の岸壁等、足場がよく足元が垂直に切り立ったような所が釣りやすく、また人が集まり大量の撒き餌をするためポイントになります。
 本来は波止先端のもっとも潮通しのよい所から少しはずれた潮がまいているような所や、常夜灯周り、また弱い魚であるため係留船の陰など身を隠せるところもポイントです。
 潮通しの良い沖目の深場を誘導ウキ仕掛けで大型を狙う釣りもありますが、後に波止のカゴ釣りのひとつとして別に紹介したいと思います。
 
 初心者の方なら先行者が集まって釣れ盛っている所に、先の方に挨拶をして入れてもらうのが間違いないと思います。
 ただし、自分の腕前に応じて迷惑を掛けないようにしましょう。その際はできれば潮下(潮の流れの下流側)に陣取れれば良いでしょう。
 
 初心者が混雑している釣り場で気を付けないといけないのは、魚が掛かって竿を上げた時、魚を外している時、などに竿が真直ぐに立たずに斜めに竿を傾けたり振り回したりする事です。
 竿が直立していないと仕掛けを絡めたり下手をすると怪我をさせるような迷惑を、隣だけでなく竿の長さ分の範囲の人に掛けることになります。魚が掛かるとついそちらに気をとられますが、竿は必ず直立させることを体に覚えさせましょう。
仕掛け
 
 竿は硬めの磯竿2号など、基本的にリールを付けられる竿であれば何でも使えますが、市販のサビキ仕掛けは全長が長いので、ある程度の長さ(3m以上、コンパクトロッドは2m台のものが多く短すぎる場合が多いです)があったほうがよいでしょう。
 
 水深の浅い釣り場であれば4.5m程の硬調の延竿でも使え、手返しの面で有利です。アジは口の柔らかい魚で、竿先が固いと口が破れて針外れすることが多いので、本来は延竿やリール付磯竿でも柔らかいものが良いのですが、撒き餌を入れるカゴにやたらと重い錘が付いている為、硬めのものを使わざるをえなかったりします。
 管理人は錘無しの撒き餌カゴを入手したりロケットカゴを流用したりして、1号程度の軽い錘と柔らかい磯竿の組み合わせで釣ることが多いです。
 
 仕掛けは市販のサビキ仕掛け。沢山の種類が売られていますが、ことさら大きなアジを狙うとき以外は、針は小さめ・糸は太めを選ぶのが無難です。ハゲ皮や鯖皮の白系のものとピンクスキン等の赤系の2種類を準備しておけば、どちらの色が当り色になっても対応できます。

 凝ってくると、自分でサビキ針から巻くのが楽しくなってきます。市販のサビキ仕掛けは針数が多すぎて扱いにくかったりしますし、自分で巻いたサビキが、その日のアタリサビキになって一人爆釣という事もあります。また、市販されていないような大針太仕掛けのサビキを作って、かかったアジやイワシをそのまま泳がせて、ツバス等の青物やスズキ、ヒラメ等のフィッシュイーターを狙うことも出来ます。

釣り方
 
 通称レンガと言われる冷凍オキアミを撒き餌に使います。車釣行の方なら撒き餌バケツというものが売られているので、活用すれば撒き餌入れが圧倒的に楽です。   電車釣行の方は撒き餌バケツは嵩張るので、ナイロンの水汲みバケツとビニル袋を活用して撒き餌を波止にこぼさない様にして、割り箸を準備しておくと手を汚さずに撒き餌をカゴにつめる事ができます。
 どちらにしても釣りが終われば、バケツで水を流してこぼした撒き餌を掃除しておきたいものです。
 
 撒き餌をカゴに詰め、仕掛けを海中に沈めてゆっくりと上下させ誘うだけです。魚が居ればすぐにアタリがあるはずです。1匹かかってもすぐには上げず、追い食いをさせて鯉のぼりのように全ての針に魚を食わせるのは快感ですが、あまり欲張らずに適当なところで回収するのが得策です。
 あまり追い食いに拘っても、アジは口の柔らかい魚ですのでドンドンと外れていったりしますし、仕掛け絡みの確率があがります。特にサバが回っている時にはすぐに上げないと、自分だけでなく他人の仕掛けまでオマツリさせる危険があります。
 また、沢山の魚を針から外すのに手間どっている間に仕掛けを絡ませてしまう事も初心者にはありがちです。絡んでしまうと針数が多いだけに解くのが困難です。
 
 手返し良く釣ることが、どんな釣りにも共通するコツのひとつです。
 
 また、浅いところに小サバやイワシ、小型のアジ、深いところに中型以上のアジが群れている事が多いので、仕掛けを早く沈める工夫をしたり、少しポイントをずらしてタナまで沈めてから、仕掛けをポイントまで誘導するなどの工夫が有効な時もあります。
 
 ちょっと変わった釣り方としては、撒き餌カゴの代わりに小さなメタルジグを付け、アジやイワシの群れの外側に軽くキャストしてゆっくりと沈めながら探ると、マヅメ時ならサヨリやカマス、暗くなってからならメバル、あるいは一回り型の良いアジサバが釣れてくる事がよくありますし、外洋に近いポイントではツバスが釣れたこともありました。。
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